私は今、切った竹を運んでいる
山から山へ運んでいる
竹は生命力が強く、放っておくと、収集がつかなくなるそうだ
運んでる途中にいる、お花見をしている家族や、カップル、ラガーマンの集団達などがとても幸せそうにみえる
赤い顔をしてバーベキューをする者、爆音で音楽を流し踊る者、高そうなカメラで自慢の彼女を撮るもの、総じてみんなとても幸せそうなのだ。そしてそれが混ざり合ってガヤガヤとした音と、肉の焼ける匂いになっている
そんな人たちを横切り、何のために自分は生きているのか、そんなことを考えながら、一人竹を運んでいる
この花見している人達には恐らく、私の姿は全く目に入ってない
汗をかき、見すぼらしい格好で、ただただ竹を運んでいる
何の為に生きているのか?
分からないが今の答えとしては、この竹を運ぶ為に生きているのではないかと言うことだ
それが答えならば、この竹を運び終えたら、生きる意味がなくなるのではないか
そんな下らないことばかり考えながら運んでいる
その間もガヤガヤと焼肉臭はまとわりついてくる
そんなに幸せを見せつけたいか
手足がプルプルになって今にもこけそうな、喉が乾いても飲み物を我慢してる、そんな私にまだ追い討ちをかけたいのか
そんな事を考えながら、日曜日の午前が終わる